アートスペース亜蛮人さんで、椎木かなえ個展「闇む人」を開催中!

大阪日本橋商店会の「アートスペース亜蛮人」さんで、椎木かなえ個展「闇む人」を開催中です 

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椎木かなえの描く絵は人を楽しませないですよね、と声をかけた。

「そう、最近は病気の人ばかり描いているんですよ」と言う椎木から、描きかけのラフデッサンの携帯画像を見せてもらう。

そこに描かれていたのは奇妙にアンバランスな体躯とねじれた首、虚空を見つめる目と呻くように曲がった口元がなんとも不気味な人物画だった。

「確かに病んでますね」と応えると、「ハイ、病んでます」と彼女は謎めいた笑みを浮かべた。

去年のハロウィンのお祭りイベント、彼女が企画する自身の葬式パフォーマンスが終わった二日後だった。

そのおどけた擬態のパフォーマンスで、彼女は何を葬り何を弔ったのだろうか。



椎木は一時期人間の顔が描けなかったと言う。

なるほど数年前の作品を見ると彼女の描く人物はすべて仮面を被っている。

だが今回ようやく仮面を取ったと思ったら、その下にあるのはポッカリと口を広げた深い闇だった。

心の病みは闇につながる。



椎木の作品は心の襞の奥深くに潜ませてあったものをグワシと掴んで晒す絵だ。

そして彼女が今見つめている「病気の人」と言うのは、言うまでもなく悩んだり恨んだり苦しんだりしてネガティブな感情に打ちひしがれた人間ではない。

その先のもっと深いところ、むしろ喜怒哀楽の表情をすべて剥ぎ取られた仮面の無い世界に在る人だ。

そこには愛とか希望とか、そういう生温かい人間的な虚飾は一切なく、謂わば実存的な生の哀しみが我々の胸を打つ。

暗闇の宇宙にポツリと独り投げ出され、理由も知らされずに生きて行かなければならない人間の生の、やるせない不安、、、。



だが椎木の絵に救いがない訳ではない。

いや、むしろその画面から微かに神々しい光を感じるのは、おそらく僕だけではないだろう。

ではその光はどこから射してくるのか。

その答えを探すのが今回の椎木かなえ個展「闇む人」を企画した僕の、密かな目的でもある。



アートスペース亜蛮人 上田哲郎


Presented by Tetsuro Ueda





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「アートスペース亜蛮人」さんの1・2階でいろいろな作品が展示されています

開催は、6月11日 火曜日まで 開場時間は、PM1~PM8(最終日はPM6まで)




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アートスペース亜蛮人
〒556-0005 大阪市浪速区日本橋4-17-15
電話 090-8209-7868